「演奏してみた」動画の音楽著作権てどうなってるの?

こんにちは!
大阪でドラム・パーカッション教室をしております西村です!
桜も満開となり新しい事にもチャレンジする気持ちが湧いてくる季節となりましたが、入学式もお花見も自粛自粛で気持ちが沈みますね。
どこを見ても、誰と話をしてもコロナ、コロナ・・・
本当に気が滅入ってしまう様な毎日ですが、ここは逆にポジティヴに考えるしかありません!
今は新しい事を始めるための助走期間で、それが少し伸びているだけなのだと!
非常に辛い状況ですが、それでもじっと待っているだけじゃなく、より強い土台作りに励む時期だと考えましょう!
そして落ち着いた頃には一段と大きく花咲かせましょう!
私もよりよいレッスンが出来る様に精進したいと思います!

と、いう事で今回の本題・・・

外出自粛を余儀なくされている今、私も含めインターネットの動画サイトをよく見ている人が多いのではないでしょうか?
また音楽をやっている人であればいわゆる「演奏してみた」系の動画投稿をしている人も多いのではないでしょうか?
しかしそこで問題になってくるのが「著作権」ですよね。
私も楽曲解説等でYouTubeに動画を投稿をしているので、今回は特に動画投稿に関しての音楽の著作権に的を絞ってまとめてみました。
少し長い記事になっておりますが、是非参考にしていただければ幸いです。

※2020年4月現在の記事になりますので、今後内容については変更となる可能性がありますので予めご了承願います。

音楽に関する著作権について

まずそもそも著作権というのはどういうものなのでしょうか。

著作権(ちょさくけん、英語: copyright、コピーライト)は、知的財産権の一種であり、美術、音楽、文芸、学術など作者の思想や感情が表現された著作物を対象とした権利である。
と、Wikipediaに記載されております。(https://ja.wikipedia.org/?curid=161)
ただこれ以上詳しく説明すると長くなるので今回はこれ以上深堀りはせず「音楽」に関する部分だけを取り扱います。

この「音楽」に関わる著作権というのは主に「メロディー」「歌詞」、そして「録音された音源」になります。
曲のタイトルやコード進行には著作権は発生しないんですね。

またここで断っておきますが、タイトルや文章に使っている「音楽著作権」というものは実際にはありません。
分かりやすく簡潔に説明するために使用していますが、音楽に関する著作権という意味で捉えていただければと思います。

さて、その音楽に関する著作権ですが、日本国内ではほとんどと言っていいくらい日本音楽著作権協会(JASRAC)の管理となっています。
それは日本国内のミュージシャンのほとんどが作った楽曲の著作権管理や著作権料徴収をこのJASRACに委託しているからであり、よって他者がその曲を取り扱うにはJASRACの規約に従う必要があるという事になります。
他にもNexTone等の著作権管理企業も存在しますが、現状はほぼJASRACの一極集中と言えると思いますので、今回はJASRACの基準に合わせて解説をしていきます。
また動画共有サイトにつきましてもYou Tubeニコニコ動画を使用している人の割合が非常に高いと思いますので、主にこの2つのサイトでの事例について紹介をしていきます。

ではその動画投稿を行う場合の様々な条件について説明をしていきますが、非常に複雑なためチャートを作成してみましたので、この図に沿って解説をしていきます。

著作権の管理者、またその内容について

前述の通りJASRACNexToneが国内における主な著作権管理団体になります。
これらが管理する楽曲についてはそれぞれのサイトで検索する事が出来るので、事前にしっかりと確認しましょう。

JASRAC管理楽曲検索
http://www2.jasrac.or.jp/eJwid/

NexTone管理楽曲検索
https://search.nex-tone.co.jp/terms?0

これらが管理する楽曲を取り扱う場合はそのまま次の条件に進めばよいのですが、そうでない場合で特に気をつけなければいけないのが海外アーティストの曲です。
海外には同じ様に著作権管理団体が多数存在しますが、その国や団体によって規約は様々です。
JASRACはその海外の著作権管理団体の代理で著作権管理や著作権料徴収等も行ってはいますが、権利自体は海外の著作権管理団体や海外アーティストが有しているため、JASRACの規約とは異なる部分が多いのです。
なので曲によって使用可能かどうかはその都度確認する必要があり、非常に手間がかかることや違反した場合の罰則等を考えると取り扱わない方が無難だと個人的には思います。

また日本においての著作権の保護期間は著作者の死後70年(※)までとなっており、著作権が消滅した楽曲は自由に使用する事が出来ます。
著作権が消滅した楽曲はパブリック・ドメインと呼ばれ、今は様々なサイトで調べることが出来るのでしっかりと確認をしましょう。
※2018年12月30日施行のTPP11法改正により、それまで死後50年だったものが70年に変更となりました。
またこの変更前に死後50年を過ぎて一度著作権が消滅した楽曲については、著作権を復活させる措置は取らないということです。

その他、自身のオリジナル曲著作権フリーとなっている曲についてはもちろん使用可能です。

包括許諾契約について

You Tubeやニコニコ動画等の動画共有サイトの存在が大きくなるにつれて、著作権侵害の問題も年々増大してきました。
そこで今では様々な動画共有サイトが著作権管理団体と包括許諾契約を結ぶようになっています。
YouTubeやニコニコ動画は事前にJASRACやNexToneに対して著作権料を支払っているので、動画をアップロードしている人は著作権料を支払わなくてもよい、という仕組みです。
なので包括契約を結んでいないサイトには掲載が出来ない(著作権侵害となる)ので気をつけましょう。

JASRACと許諾契約を結んでいるサイト一覧
https://www.jasrac.or.jp/info/network/ugc.html

ちなみに今回この内容を調べていて驚いたのですが、昨年(2019年)のいつ頃か分かりませんがいつの間にかFacebook(Instagram)もJASRACと包括契約を結んでいたようです。
それまでFacebookにCD音源等のBGMが入った動画をアップすると音声だけ消されて不気味な無音動画になっていたのが最近見ないな~と思っていたんですがこれが理由かもしれませんね。

営利目的かどうか

JASRACでは非営利の場合の楽曲使用は基本的に著作権料を徴収しないことになっています。

ここでいう営利目的かどうか、とは簡単に言えばそれをすることで収入を得る事に繋がるかどうか?ということです。
具体的に言えば特定の企業や商品やサービスの宣伝に使用したり、チケット代を取ってライブハウス等で演奏したり、といった用途になります。
これらは著作権に含まれる演奏権が関わってきます。
この演奏権とは、音楽の著作物を公衆に直接聞かせることを目的として演奏する権利、とあります。
それは店舗のBGMや、結婚披露宴で使用する音楽にまで及びます(結婚披露宴の出席者は公衆扱いというJASRACの見解)。
また近年JASRACと、大手音楽教室数社が結成した「音楽教育を守る会」との間で訴訟となった、音楽教室がレッスンで使用する楽曲にも著作権料が発生する、という件についてもこの演奏権が争点となっています(生徒は公衆扱いというJASRACの見解)。
ただしこの問題について話をすると非常に長くなるので今回は割愛。

さてこの営利目的かどうか?というのはもちろん、動画投稿サイトにアップロードする際にも関わってきます。
「特定の企業や商品やサービスの宣伝」とある様に、宣伝目的の内容の動画にJASRAC管理楽曲を使う場合は営利目的となります。
また近年ではメジャーな職業にもなりつつあるYouTuberですが、これは動画を見てもらう事で広告収入を得ているため、こちらも営利目的となります。
これらの場合は別途JASRACに使用許可の手続きを取り、著作権料を支払う必要があります。

なので動画投稿者に直接著作権料が発生しない状態とは、ただ個人的に非営利でアップロードする場合にほとんど限られることとなります(金銭が絡まないという意味ではあくまで趣味でという表現の方がしっくりくるかもしれないですね)。

 

さぁ、まだまだ続きますが、ここで一つお知らせがあります。
実はここまででJASRACの条件についてはクリアしました!
おめでとうございます!

しかしここから先はまたさらに別のお話になります。
え~っ!?JASRACがOKだったらそれでもう大丈夫じゃないの?
と思うかもしれませんが、それほどに著作権とは複雑なものなのです。
これでもかなり頑張って簡単にまとめているつもりなので、もうしばらくお付き合いくださいね。

原曲を使用するか、しないか

さて次は原曲を使用するか、しないか、という条件になります。
ここでいう原曲とはCDやDVD等に録音された音源のことを指します。
この録音された音源には著作権とは別の著作隣接権というものが関わってきます(またややこしいのが出てきましたね)。
これは実演者(その曲をレコーディングした演奏者達)やその原盤の制作者に与えられる権利で、レコード会社が有している事がほとんどです。
なのでCDやDVD等の音源をそのままアップロードする動画に使用すると著作隣接権の侵害となります。
ただし、これは各動画共有サイトによってそれぞれの対策が取られているので、それはまた次の項でご説明します。

CD音源を使用しない場合は、晴れて動画のアップロードが可能となります!!
もう一度まとめると、
・JASRACやNexToneの管理楽曲で
・これらと包括契約を結んでいる動画共有サイトに
・営利目的ではなく
・原曲を使用しない場合
となります。

ギターやピアノで弾き語りをしたり、伴奏を打ち込み等で自作してその上で他の楽器や歌を歌ったり、バンド全体で録音したものはOKという事になります。

各動画共有サイトの条件

動画をアップロードした時に「著作権侵害の可能性があります」等といったメッセージが出る事があると思いますが、どうして分かるのでしょうか?
実は動画の音声に含まれる波形データから、著作権を有する楽曲がどうかを機械的に判別する仕組みがそれぞれの動画共有サイトやSNSにはあります。
そのうえでそれぞれ対応が分かれますので、次に紹介していきます。

YouTube

YouTubeは過去から色々な対策をとってきましたが、現在はコンテンツIDと呼ばれるシステムを導入しています。
著作者が著作物(コンテンツ)を登録しておくことで、他者がアップロードした動画にその著作物が含まれているかどうかを識別する仕組みとなっています。
そしてそのコンテンツIDに引っかかると大まかに下記の手続きに進みます。

①削除される
これは一番厳しい措置となり、ペナルティもカウントされ、一定期間内に複数回のペナルティを受けるとアカウントを停止(実質的には削除)される場合があります。
著作権者(原盤権者)により削除申し立てがあった場合にこの対応となります。
その他音声をミュートしたり、設定した国ごとに動画再生をブロックする事などの対応が可能となります。

②広告がつく
これが現状の著作権保護の仕組みでは一番優れていると思われますが、アップロードした動画に広告がつき、その広告収入が著作権者(原盤権者)に入るようになるというものです。
著作権者(原盤権者)は利益を得る事ができ、アップロードした人も自身の動画を皆に見てもらえるという事で双方にメリットが生まれます。
ただし広告をつけるかどうかは著作権者(原盤権者)の意向次第であり、その方針も途中で変更となる可能性もあるので注意が必要です。
ある時まではOKだったのに急に動画が削除された、という事ももちろんありえます。

③放置
これはコンテンツIDと一致したものの、著作権者(原盤権者)が特に何も対応しない場合です。
動画自体は削除もブロックも広告がつくこともなく、そのままアップロードされたままとなります(実際にはこの状態も非常に多いと思われる)。
ただしこれも著作権者(原盤権者)がいつどんな対応をするかは分からないので注意が必要です。
またそもそもが著作権の侵害となります。

ニコニコ動画

ニコニコ動画では事前に著作者と契約し、使用できる曲というものがあります。
ここでは許諾楽曲と呼ばれていますが、この曲であれば使用可能となります。
ここから検索することが出来ます。
許諾楽曲検索(http://license-search.nicovideo.jp/)
そしてもちろんそれ以外の楽曲はNGとなり、削除対象となる場合があります。

その他動画共有サイト

各サイトの利用規約に準ずる形となります。

その他

楽譜は著作権に含まれるのか?

楽譜についてはその楽曲の「メロディ」と「歌詞」を紙面またはデータという形に変換したものであって、同様に著作権は発生します。
言い換えればどうやら楽曲と同じ扱いというJASRACの見解の様です。

・販売されている楽譜について
こちらはもちろん、楽譜作成者の権利がありますので無断で転載してはなりません
CD等の音源をそのまま使用する事と同じですね。
なのでバンドスコア等を動画に映してしまうことはNGとなりますので気をつけましょう。

・自分で採譜した楽譜について
いわゆる「耳コピ」した楽譜についてですが、こちらは動画投稿可能というJASRACの見解です。
ただしその楽譜データをインターネット上で不特定多数に対し自由にダウンロード可能な状態にする事はNGとなります。
楽譜の画像データやPDFデータのダウンロードURLを貼り付けたりしている人もいますが、それは著作権侵害となります。
楽曲そのものの扱いと同じという事ですね。

また「営利目的かどうか」という問題にも戻りますが、動画や自分のサイトで楽譜を公開する場合ももちろん非営利が条件となります。

違反した場合の罰則は?

著作権侵害をした場合、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金、著作者人格権、実演家人格権の侵害などは、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金。
また私的使用目的であっても無断でアップロードされていることを知っていて、かつダウンロードする著作物等が有償で提供・提示されていることを知っていた場合、そのサイトから自動公衆送信でデジタル録音・録画を行うと、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金が科せられます。

とのことですが、原告の訴える内容にもよると思われます。
ですが実際には著作権は親告罪(※)となっており、また著作権侵害をしている一人ひとりを相手に告訴することは手間と時間とお金を考えれば現実的ではないため、よほど悪質なものでない限りは対応していないのが現状のようです。
ただし放置しておくわけにもいかないという事で、例えばYouTubeではコンテンツIDという仕組みで著作権侵害を防いだりしているということです。
※著作権を持っている人しか告訴できない罪(他人が「あいつは著作権侵害をしている!」といくら言ったところで著作者が訴えなければ基本的に罪にはならない)。

まとめ

以上、動画投稿についての音楽著作権について自分なりに調べた結果でした。
例外や仕組みの変更があったり、そもそも著作権とは非常に難しいですし私も専門家ではないので、記述の説明不足や間違い等もあるかとは思いますがその点はご勘弁下さい。
疑問があれば直接JASRACやYouTube等に質問するのが一番良いかと思います。

著作権というのはアーティストを守る為のものですので、しっかりと理解したうえで楽しめるようにしたいという思いでこの記事を書いております。
今後も間違いや変更等があれば修正や追記も随時していきたいと思います。

それでは、著作権を守って楽しく動画を作りましょう!

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